人生何がきっかけになるか分からない、
転機にはノリも大切

人生何がきっかけになるか分からない、 転機にはノリも大切

今回は、企業の経営者にインタビューをおこなった模様をお届け。インタビューを受けていただいたのは、学校や幼稚園や公園、スポーツ施設等の体育器具や遊具などの製造販売・修繕の他、鉄材料などの加工を事業としているSECOND ACCESS(セカンドアクセス)の代表である西林 智也氏。

SECOND ACCESSを立ち上げるまでに至る職務経歴や、波乱万丈の人生について語っていただいた。ちなみに今回のインタビュアーは西林氏とは昔からの知り合いである当運営の永尾が進行していく。

-これまで色々とされてきたとうかがっていますが、本日はよろしくお願い致します。

「よろしくお願い致します。今の会社のSECOND ACCESSは、僕の奥さんと結婚してからになります。これまでまあ色々な事をやってきましたね。昔は風当たりがきつかったですよ。」

-でも色々やってきた人の方が幅があるというか。今の時代、例えば大手銀行に務めていたら定年まで全うするのが普通だったり、その方が生涯サラリーという面でも良かったりというのがありましたけど、もうそれも望めない世の中ですよね。

昨今では政府が副業を推進してたりもしてますが、長年同じ場所に居て同じ角度でしか物事を見れなかった人が、急に会社で副業OKとなっても、正直どうやって副業するの?てなると思います。

西林さんの場合、お父さんのやってきたこと※1 があってそれを見てきていた。その当時は理解できていなかったとしても、年齢を積み重ねていく中で「ああ、親父のあれはこういうことをやっていたのか」とか「あれはこの為の下地を作っていたのか」とかが見えてくる。

「分かる分かる。今となってはね。」

※1 西林氏の父はACCESSという会社を経営。

-SECOND ACCESSではこういうことをやりたいな。でもそれにはこういう人達と関連がないとできないな、とか色々必要なことがありますよね。でも今まで1本だけで生きてきていたとすると、それは少し難しいことだと思わないですか?

「確かにそうだよな。色々な部分で難しさを感じる場面は多いと思う。」

-たとえ会社から副業に使える時間をもらっても、例えば午前中は本業で午後から副業に使ってもいいよ。でも生涯サラリーは60%に落とします。後の40%は悪いけど自分で稼いでね、時間も与えるからって言われてもさ、僕らくらいの年齢まで1本で生きてきた人は急にそれを与えられても。。

「それはしんどいやろなぁ~。色々難しいよ。」

-多くの人は時間があったらまず休む。時間があれば娯楽に使う。時間あれば家族の時間に使う。という時間の使い方のサイクルで生活している。それを平日の午後からいきなり自由な時間を渡されて、さあ副業って言われても「どうすんの?」って。

「(笑)何をしたらいいのか分からないよね。」

-だからこそ色々やってきている人は、多角的に物事を見れる、それも机上じゃなくて経験則から見れるという点で優れていると思います。

ますだ茶舗TEA STAND SHOPにてインタビュー
インタビューは京都宇治の「ますだ茶舗TEA STAND SHOP」にて

-西林さんは鉄屋(SECOND ACCESSのこと)を立ち上げる前は何をやっていたんですか?

「鉄屋の前はね、大阪で100円ショップの店長してた。僕が一番最初に働いたのは、某サッカー用品なんかを扱っているお店でそこは半年で辞めました。」

-社員でしたっけ?

「高校を卒業して僕がそこに応募した時には社員の募集は既に終わってて、とりあえず1年間はアルバイトでって言われて、その後に社員になれるよという話で。でもね、その働いていた店舗にいてた人にめっちゃいじめられて(笑)本当に毎日めちゃめちゃでしたよ。

店長さんとAさんBさん、もう1人Oさんという人がいてて(仮称)。そのOさん以外の3人がみんなびっくりするほど人を足で使うというか。でもそのOさんが僕を全部フォローしてくれてたんですよ。

でも半年くらいやって、結局『もう辞めます』って『いくらなんでもこんなの続けていけない』とOさんに言って。ガラスのハートやったんで(笑)」

-鉄のハートじゃないんですね(笑)

「今や、今でこそ鉄のハートですけど(笑)」

鉄屋をはじめたきっかけ

-で、そこからどういった経緯で鉄屋を?鉄屋の方は結構長いんですか?

「そこを辞めてからは、昔あったニチイってご存知ですか?ビブレとか展開してたマイカルグループの。」

-ありましたね。知ってます。

「それでマイカルグループが、スーパーとコンビニの中間くらいの大体150坪くらいの大きさの店、言ってみれば小型スーパー※2 ですね。それを展開したいということだったので、そこに新規で入らせてもらいまして。そこでアルバイトからはじめて、一応なんとか頑張って店長までさせていただいて。

※2 当時ポロロッカという商号。現在はマルエツプチになっている

そうしたら、当時僕は23歳だったんやけどマイカルが破綻しちゃって、そのタイミングで結局僕も辞めようと思ったんですけど、そのスーパーを東京のマルエツという会社が買い取るよ、という話になって「じゃあ君、東京に行きなさい」ってなって。

実は僕ね~東京が苦手で(笑)東京行きをめっちゃ断ってたんですけど結局行かされてしまって。場所はちょうど市ヶ谷とか虎ノ門とかの方でした。で、行ってはみたものの、やっぱり元々嫌だったというのもあって、どうしても馴染めなくて結局1年くらいで辞めました。

そこからこちらに戻ってきて、次にK(仮称)というスーパーがあったんですけど、そこで仕入れ担当として雇って頂いたんですが、そこも結局破綻しそうになってて、ちょっとこれは厳しいからやめておこうと辞めて、その後は某冷凍食品会社の営業としてコロッケを売っていました。香川県まで行って。

それでその仕事をしていた時に、当時付き合っていた彼女であった今の奥さんと結婚しました。それで彼女のお父さんが今の鉄屋の会社をやっていたんですが、白血病になられてしまって。

で、ご家族がちょうど娘さんだけのご家庭だったので、会社の跡継ぎがいない、このままだと会社をたたむしかない、というご状況でしたので、『あ、俺?』という話で代打となりました。」

-いや~波乱万丈ですね。

「そこからはお父さんも闘病期間が結構長くなりまして、5,6年やったかな?病院に出たり入ったりで。そうして退院されてからは一緒に仕事をするようになって、今はもう14,5年になります。本当にこれまで色々とさせてもらいました。」

-で、そこからのSECOND ACCESSという訳ですね。

「そうですね。SECOND ACCESSというのは、自分の親父がアクセスという会社を経営してまして、事業としては輸入関係と、元々は帯を中心に取り扱って販売してたんですが、海外に行って色々な輸入雑貨やブランド品を引っ張ってきて販売してました。

そんな中でバブルが弾けた訳ですよ。あれはちょうど僕が高校1年か2年生の時だったか。その影響で会社をたたまなければならなくなり…ここが自分の人生で一番のどん底でしたね…」

-それはもう、そうなりますよね…

「そういう経験もしてきた中で、もともと僕には42歳になったら自分で事業をしたいなという想いがあったんです。そんな時に永尾さんとひょんなことで再開して。まあ色々とお噂は聞いていたんですが(笑)」

-え?当然良い噂ですよね?(笑)良い噂!

「(笑)ある日、永尾さんとフットサルをした後にちょっと話をしたことがあって、それで色々と話しを聞いているとすごく楽しそうだったんで『ああ、じゃあ俺もやろうと(笑)』」

SECOND ACCESSを立ち上げた理由

-そんなもんですよ。ノリで。やっぱり楽しいのが一番ですから。

「すげぇな~楽しそう、って思って。じゃあ俺もやっちゃえ~って(笑)それでアクセスの名を親父からもらって、第二のアクセスという意味でSECOND ACCESS(セカンドアクセス)という名前にさせてもらって。」

-いいですね格好いいですね!

「スタートはめっちゃ軽いですけどね(笑)

SECOND ACCESSとしてやろうと思ったのは、その地域の子どもたちが利用する施設であったりの器具や遊具を扱ってるんですが、やっぱり実際に工事させてもらったら何だかんだお金が結構掛かったり、する所も限られたりするので、そういった所にちょっとでも手助けできればという思いでさせてもらったので。」

-いいですね。志が高いですね。

「いえいえもう、全部ノリですよ。でも正直、18歳から働いてきてて今が一番おもしろいですね。」

-楽しいのが一番ですよ。

「この今があるのは、永尾君に出会って再開してっていうきっかけでしたね。」

-本当に何がきっかけになるかなんて分からないですからね。

 

インタビュー後記

人生の分岐点は人それぞれだが、取り分け人との出会いがその人の人生に大きく影響することは多い。しかし影響を受けて行動する・しないの選択肢は個人次第。

今回、西林氏は永尾氏との再開をきっかけに自身の事業を立ち上げるに至る影響を受けているが、行動する源となったのは「楽しそう」という感情。あれこれ思い悩み抜くよりも、案外こういう直感的シンプルな感情や想いが理想へと導いてくれるものなのかもしれない。

2021年6月8日(火)
取材:永尾 健次 撮影:大嶋 大樹

 

SECOND ACCESS
https://www.secondaccess.jp/

インタビュー場所:ますだ茶舗 TEA STAND SHOP
https://masudachaho.com/